IT specialist program to promote Key Engineers as securitY Specialists
IT specialist program to promote Key Engineers as securitY Specialists
取組代表者
湊小太郎
(奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科長)
高度情報通信ネットワークに支えられた社会では、一個人や一部署の情報セキュリティに対する不備が組織全体に致命的な打撃を与えることも少なくなく、場合によっては日本のみならず世界中に影響を及ぼし、重大な社会問題になることがあります。このため、各組織における情報セキュリティ対策の強化が求められ、それを担う人材の育成が緊急の課題になっています。これを受けて、文部科学省は、「先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム」の一環として、平成19年度に、世界一安心できるIT社会の実現を担う実践的な情報セキュリティ人材を育成する事業を開始しました。
この一つのプログラムとして、情報ネットワーク分野において先導的な役割を果たしてきた関西圏の4情報系大学院と4企業・団体が連携・協力し、総力をあげて、「社会的ITリスク軽減のための情報セキュリティ技術者・管理者育成」プログラム(IT-Keys)を推進しています。これは大学間や産学の壁を越えた力の結集によって、世界最高水準の情報セキュリティ人材の教育拠点を形成しようというものです。
IT-Keysは、企業等において情報セキュリティ対策を立案・遂行できる人材の育成を目的として、各大学院に分散している専門家を結集した連携型教育コース(体系化された基礎知識を学ぶ基礎科目群、総合的知識を学ぶ先進科目群、経験的知識を学ぶ実践科目群)を設けるとともに、企業等からの招聘講師による最新動向を反映した講義や実践的演習を通して、CIO/CSO/CISOあるいはその補佐として、即戦力となる実務者を育成しています。
IT-Keysは、複数の大学院・企業・団体の強力な連携によって、西日本における情報セキュリティ人材育成の国家的拠点の形成と、継続的な発展を目指しています。ここで育成される人材は、企業等の組織における情報セキュリティ問題に対して、技術的側面のみならず、法律・倫理的、経営的、政策的、社会的側面など多面的に対策を検討できる高度な情報セキュリティエンジニアであり、近い将来において、世界一安心できるIT社会の実現に貢献することが期待されています。